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FX(為替・外国為替証拠金取引)は危険と言われたり、外貨預金は良いがFXは良くないという表現をされることがあります。

FXが良くないと言う方の多くは本質的な部分ではなく、表面的な部分や一部のバクチ的取引をしている人たちの投資行動を見て判断しているように思います。

客観的に見て、外貨預金よりFXが良い点は沢山あります。

考えれば考えるほど、FXのメリットの方が大きいと言えるでしょう。

FXの良い点と悪い点は次の通りです。

 

●FXの良い点

  1. 手数料が安い
  2. 金利が高い
  3. 金利を毎日受け取ることができる
  4. 売買に手間がかからない・指値で売買できる
  5. ストップロスで簡単に逃げることができる
  6. 信託保全されている(外貨預金はペイオフ対象外)

 

●FXの悪い点

  1. レバレッジを上げて取引して資産を無くす人がいる
  2. 危ない会社がある
  3. 金利を固定できない

 

一つずつ見ていきましょう。

 

●FXの良い点

(1)手数料が安い

外貨預金は買う時の価格と売る時の価格差(手数料を含めたスプレッド)が大手都市銀行ですと豪ドルで2円くらいになります。

一年で金利が4%ついたとしても、売って買ってで4円のコストがかかりますので、金利が4%ついたとしても手数料で消えてしまいます。

FXですと、会社によって大分違いますが、買う時と売るときの価格差(手数料を含めたスプレッド)が0.03円~0.05円程度で一桁以上安くなります。

但し、FX会社であまりにもスプレッドが小さい会社は中長期運用には向かないので避けた方が良いでしょう。

FX会社によっては、現金として両替もできますので、旅行に行く時など、銀行で両替するより、FX会社で両替する方が安く済みます。

(2)金利が高い

FXの場合、円で豪ドルを買うというポジションを持つ場合は、豪ドル/円を買うと表現し、これは、円を借りてきて豪ドルを買うという意味です。

従って、豪ドル/円の金利とは円と豪ドルの金利差となります。

たとえば日本円の金利が0.1%、豪ドルの金利4.6%とすると、0.1%円を借りてきて4.6%の豪ドルを買うとすれば、金利差は4.5%となり、豪ドル/円を買うと、受け取る金利は4.5%になります。

ところが、FXで豪ドル/円の金利が4.5%としても、その時の日本の都市銀行の豪ドルの外貨預金は定期預金でも2%台程度です。(預け入れ金額と期間で変わる)

この場合、日本円の金利上昇があれば、金利差が縮小されますが、日本円の金利が世界で一番上がりにくいとも言われています。

(3)金利を毎日受け取ることができる

特筆すべきことですが、FXで豪ドル/円の買いポジションを持っている場合、毎日金利を受け取ることになります。

ポジションを10日持っていれば10日分の金利を受け取ることができます。

反対に豪ドル/円の売りポジションを持っている場合、毎日金利を払うことになります。

(4)売買に手間がかからない・指値で売買できる

為替は月曜の朝から土曜の朝まで24時間連続して市場(しじょう)が開いていますので、FXの取引は24時間、パソコンや携帯電話から簡単にオーダーが出せ、指値での取引も簡単に設定できます

年間何回か、金融収縮等で円高に一瞬大きく振れることがありますが、この時にFXであれば、指値を入れておけば、その指値で買えます。

特に美味しい買い時である大きな円高は一般の金融機関の営業時間外である早朝にあることも多く、営業時間になると、比較的大きく上昇していることも多いです。

となると、一般の金融機関では円高のピークで外貨預金に両替することはできません。

一方、FX会社は24時間稼動しているため早朝に買ったり、指値で買ったりすることが可能です。

(5)ストップロスで逃げることができる

FXの場合、急激な相場変動があってもストップロス・オーダーを入れておくことで簡単に、ポジションを手仕舞いすることができます。

月曜日の朝から土曜日の朝まで24時間連続しているマーケットだからできることです。

FX会社によっては、全ポジションをいっきに、成り行きで手仕舞いするというオーダー機能があるくらいです。

激動の時代は、このようにストップロス・オーダー等で、簡単に手仕舞いして、逃げられることが大切です。

(6)信託保全されている(外貨預金はペイオフ対象外)

基本的に外貨預金はペイオフの対象外です。

銀行が破綻した場合、預金額のうち一行一人1000万円を預金保障機構が保障する仕組みがありますが、外貨預金はこの対象外なので、銀行が破綻した場合、外貨預金は1000万円以下であっても全額戻ってこない可能性があります。

しかし、FXでは、信託保全されているので、全額が守られることになります。

但し、信託保全スキームは会社によって異なるので怪しげなFX会社の場合、この信託保全スキームが機能しない可能性はありますので、堅実なFX会社を選択する必要があります。

 

●FXの悪い点

(1)レバレッジを上げて取引して資産を無くす人がいる

ストップロスを入れないでレバレッジを上げたり、バクチ的に短期売買を繰り返して資金を無くす人が少なくありません。

これはFXが悪いのではなく、FXの自由度が高いため、バクチ的な取引ができてしまうだけのことで、そのような取引をすること自体が悪いです。

バクチ的な取引をする方は、FX取引だけではなく、人生そのものをバクチ的にしないように心がける必要があります。

ちなみに、レバレッジが自由に設定できるということは、レバレッジを1倍以下の0.2倍や0.5倍にすることもできますので、外貨預金以下のリスクにすることも可能です。

(2)危ない会社がある

危ないFX会社はありますので、会社選びは大切です。

中長期に向く、しっかりした会社を選択する必要があります。

(3)金利を固定できない

FXは日々の金利が、ほぼリアルタイムに反映されますので、買い通貨の金利が下げたり、売り通貨の金利が上がると金利は下げます。

FXでは金利を固定できませんが、激動の時代は、数年で十分長期になってきますので、固定することより、すぐに資金移動できる方を優先した方が良いと判断しています。

 

このように、FXの場合、欲をコントロールできないでレバレッジを高くしてしまうことが危険な要素であり、それ以外の要素を比べた場合、外貨預金よりFXの方が、はるかにメリットがあることが分かります。